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「ヘルパーさんを頼みたい」と思ったとき、またはすでにヘルパーさんに来てもらっているとき。
頼みごとに対して、「それ介護保険ではできません」と言われたことはありませんか?
介護保険サービスを利用するには制約があるのです。
今回はヘルパーの生活援助編として、介護保険でできないこととその理由をお伝えします。
介護保険外の解決法については、別の記事も参考にしてみてください。
介護保険を使った訪問介護のヘルパーができないこと(生活援助サービス編)
介護保険サービスは国民からの介護保険料や公費を財源としているため、無駄遣いのないようにできることが決められています。また、介護保険サービスの考え方として「自立支援」があるというのも大きなところです。本人のできることまで手伝ってしまうのは自立を阻害するので、手伝いすぎはよくないとされています。
介護保険を使ったヘルパーができない主な内容は、以下の通りです。
- ケアプランに載っていないこと
- 日常生活の範囲を超えたサービスの提供
- 本人以外への支援
- 本人ができることの支援
ケアプランに載っていないこと
ケアプラン(介護の計画書)に載っていないことは手伝うことができません。
理由は、介護保険サービスは必要性が認めらることのみ利用できるからです。
サービスを利用し始める前には、ケアマネージャーが「サービス担当者会議」を開催します。ここで、「この方はどういう理由で何に困っているのか。手伝う必要があることは何なのか」を話し合い、本人や家族、利用する事業所と共有します。
そこで初めて利用するサービスとその具体的な内容が決まり、ケアマネージャーはそれをケアプランに載せる必要があります。そのため、ケアプランに載っていないサービス内容をヘルパーが独自の判断で行うことはできません。
しかし、緊急性を要する場合はケアマネージャーや家族と相談して対応する場合があります。
日常生活の範囲を超えたサービスの提供
日常生活の範囲を超えたサービスは提供することができません。
「日常生活の範囲を超えたサービス」とは、主に以下のような内容です。
掃除:大掃除、庭の草抜き
買い物:趣味のもの、嗜好品(お酒・たばこ)の買い物
調理:おせちなど時間と手間のかかる料理
理由は、介護保険サービスが利用者の日常生活の支援を目的としているからです。
掃除は本人が使うところを通常の掃除の範囲でしてくれるのですが、家族がいる場合、共用部は相談が必要です。
買い物も、食べるものや日用品の範囲で依頼することが可能です。例えば、「編み物が好きだから手芸屋さんで毛糸を買ってきて」と頼むことはできません。お酒やたばこなどの健康を害しやすい嗜好品も断られます。
調理に関しては、ヘルパーの滞在時間の問題もあります。限られた時間でできる範囲で、依頼できるものを頼みましょう。介護認定が軽い場合はヘルパーを利用できる回数も少ないですので、食事は配食サービスを検討するのもよいですね。
本人以外への支援
利用者以外の部屋の掃除など、本人以外の支援はできません。
理由は、介護保険サービスが本人の支援を目的としているからです。
よく、「夫婦ともに高齢で家事ができない」「子供と同居しているけど、子供は障害があって家事ができない」といった相談を受けますが、その場合はそれぞれに支援を依頼する必要があります。
家族それぞれが困っている場合は、それぞれが介護相談(場合によっては障害サービスの相談)をしましょう。相談は市町村の各相談窓口や地域包括支援センター、ケアマネージャーが受け付けてくれます。
本人ができることの支援
本人ができることを介護サービスで手伝うことはできません。
理由は、介護保険サービスが自立支援の観点で行われているからです。
しかしこれに関しては、実際のところ本人ができることも頼まれて手伝っている場合が散見されます。
自分のためにもよくないことだと利用者側も知っておくことで、心身機能の低下を防ぎやすくなります。
片づけなどうまくやりきれない場合は、ヘルパーと一緒にやるのもいいですね。
介護保険を使うか使わないかは、目的によって決める
高齢者がなにかしらの理由で掃除がしにくくなってきた時、「ヘルパーさんに来てほしい」と考える人が多いですね。
でもやはり、介護認定が低いと利用できる回数は限られます。また、介護保険を使ったヘルパーの掃除は、できることとできないことがあるのです。
介護保険を使う、使わないはどちらもメリットデメリットがありますので、ケアマネージャーと相談しながら目的に合った支援を選びましょう。
まとめ
<介護保険を使った訪問介護のヘルパーができないこと(生活援助サービス編)>
- ケアプランに載っていないこと
- 日常生活の範囲を超えたサービスの提供
- 本人以外への支援
- 本人ができることの支援
生活の困りごとが出てきたら、まずは地域包括支援センターや市町村の介護相談窓口、担当のケアマネージャーに相談することをオススメします。
介護保険で困りごとの解決ができそうにない場合は、別の記事を参考に自費サービスや便利グッズの利用を検討してみてくださいね。
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