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あなたやご家族が介護認定軽度者(要支援1・2、事業対象者)だった場合、介護サービスの相談をした先で、「そういうサービスはありません」「それはできません」と言われたことはありませんか?介護保険はそもそも万能ではないですが、認定軽度者が要介護認定を持つ人よりもサービスを利用しにくい理由があります。
まずはその理由を知りましょう。
認定軽度者(要支援1・2、事業対象者)がサービスを利用しにくい理由
要支援1・2、事業対象者は介護予防の段階と捉えられている
介護認定には、要支援1・2、要介護1・2・3・4・5の7段階と、事業対象者という少し特殊な認定があります。
このうち、要支援1・2と事業対象者は介護予防の段階と捉えられており、本格的に介護が必要になる前の段階という位置づけです。
事業対象者とは、「基本チェックリスト」という25問の質問項目に答えて該当した人が得られる認定です。状態像としては要支援と同等か、それより軽い状態が想定されています。通常の要介護認定のように認定調査を受けたり、主治医意見書を書いてもらったりする必要がありません。チェックリストに該当すればすぐに認定を取れる半面、使えるサービスはヘルパー(生活援助のみ)とデイサービスに限られます。
介護保険法には「国民の努力及び義務」が明記されている
介護保険法 第四条には、「国民の努力及び義務」が明記されています。
第四条 国民は自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保険医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
介護保険法
ここに明記されているように、国は国民の自助努力を求めています。
軽度の認定の場合は、「本格的に介護が必要になる前の段階」ということで、さらに自助努力が求められるんですね。
「足が弱ってきたからヘルパーさんに家事を頼もう」ではなく、「足が弱ってきたから、家事がしやすくなるよう運動する習慣を身につけよう」という発想が求められます。介護サービスを提供する側にも、「自立支援」の観点でお手伝いするよう言われているのです。
少子高齢化が進み支え手がどんどん減っていく現状から、この傾向は今後ますます進んでいくと思われます。
介護保険サービスで解決できないときの対処法
自分でできるようになることは素晴らしいことですし、それができれば一番良いのですが、どうにもならないとなればやはり困ってしまいますよね。介護保険サービスでは手伝えることと手伝えないことがあり、柔軟に対応してもらえないことも多いです。
「困った!」となったときの解決法をお伝えします。
介護保険事業所の自費サービスを利用する
一つ目の解決法は、「介護保険事業所(ヘルパー事業所など)の自費サービスを利用する」です。
介護保険事業所は、介護保険のきまりの中では対応できないことも、自費で対応可能な場合があるからです。
例えば、「ヘルパーさんに電球を取り替えてほしい」という要望は、介護保険を使って解決できません。なぜなら、介護保険でできるのは「通常の掃除や片づけの範囲」だから。電球の取り替えは日常の掃除や片づけに入らないからですね。でも、自費なら対応できます。危険が及ぶような無理な要望でもないからです。このような「自費になるけど比較的簡単な要望」の場合、事業所によっては300分500円程度で付随サービスとして提供しているところもあります。
単発で「家の片づけを手伝ってほしい」などの相談も対応可能な場合がありますので、相談窓口がわからないときはお住いの地区の地域包括支援センターに相談してみましょう。地域包括支援センターはその地区の高齢者の総合相談窓口ですので、相談に乗ってくれます。担当の地域包括がどこかわからない時は、役所に相談すれば教えてくれます。
自費の料金に決まりはないので、各事業所の料金設定はバラバラですが、だいたい1時間2,000円~4,000円のところが多いです。※お住いの地域にもよります。
民間サービスを利用する
民間会社のサービスなら、介護保険の制度の縛りはありません。そのため、困りごとに対して柔軟に対応してくれます。ただ、介護について知識のある人に来てほしい場合、そういう会社を探すか、対応できる人がいるかの確認をしましょう。
\迷ったらまず大手!/
自分でできる工夫をする
国が推奨しているのは高齢者ができるだけ「自立」すること。
国に求められなくても、できるだけ自分でできればそれに越したことはないですよね。
では、自分でできるようになるための解決策にはどんなものがあるでしょう?
運動やリハビリをして自分の身体機能を上げる
自分でできるようになりたいとき、まずは運動やリハビリをして解決を目指しましょう。
これは介護保険サービスでも相談できますし、地域の「通いの場」の体操教室などへ参加するのも有効です。
民間のスポーツジムに行くことができれば、そこでも解決できます。
介護保険を使った運動・リハビリの種類
デイサービス(通所介護) | デイケア(通所リハビリテーション) | 訪問リハビリ(訪問リハビリテーション) |
・車の送迎がある。 ・医師からの診療情報やリハビリの指示を得る必要はない。 ・介護系のサービスにあたる。 ・柔道整復師や介護職が運動指導していることが多い。 ・理学療法士など、リハビリ専門職がいる場合もある。 ・運動機器を使ってパワーリハビリをするところもある。 ・最短3時間(例外あり)で運動だけ実施しているところ、長時間で食事や入浴もついているところがある。 | ・車の送迎がある。 ・医師からの診療情報やリハビリの指示を得てリハビリを実施する。 ・医療系のサービスにあたる。 ・理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったセラピスト資格を持つ人がリハビリを実施。 ・個別機能訓練(個別のリハビリ)の時間がある。 ・最短1時間で運動だけ実施しているところ、長時間で食事や入浴もついているところがある。 | ・リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が自宅などへ訪問してリハビリを実施する。 ・医師からの診療情報やリハビリの指示を得てリハビリをする。 ・医療系のサービスにあたる。 ・訪問看護ステーションからリハビリに来てもらうと、定期的に事業所の看護師の訪問もある。 ・1回あたり40分、もしくは60分の利用が中心。 |
介護保険を使って運動・リハビリしたい時は、お住いの市町村窓口か地域包括支援センターにご相談ください。
「通いの場」の活用
介護認定を受けるほどの状態ではない時、地域でやっている「通いの場」の体操教室を調べて参加するのもオススメです。無料で開催しているところが多く、参加のハードルも低いです。「通いの場」は運動以外にもさまざまな取り組みをしているところがあり、厚生労働省も参加を推奨しています。
地域にどんな場所があるかわからない時は、役所か地域包括支援センターに問い合わせましょう。
「通いの場」自体がどんな場所かわからない時は、以下を参考にしてください。
通いの場ではどんなことをやっているの?
全国各地の通いの場では、体操や運動をはじめ、料理教室やゲートボールといった趣味活動、耕作放棄地を活用した農業体験、スマホ教室などの生涯学習、子ども食堂と連携した多世代交流など、地域の特色を生かした多様な取り組みが行われています。
引用元:厚生労働省 集まろう通いの場
また、専門職の先生が通いの場を訪れて、認知症予防教室や栄養相談等を行っている市町村も増えてきました。
民間のスポーツジムを利用する
民間のスポーツジムを利用できる方は、そちらを利用するのもよいと思います。
最近ではchocoZAPのように、手軽に利用できる施設も増えてきました。chocoZAPは私も以前利用していましたが、60代、70代ぐらいの方も多かったですよ。
便利家電を利用する
高齢者が便利家電を使いこなすことは難しそうに思われますが、使い方がシンプルで十分使えるようになるものもあります。例えば、掃除に困っている場合は充電式の掃除機がオススメです。通常の掃除機に比べて縦長で軽いため、膝や腰の悪い高齢者でも使いやすいです。
市販品を活用する
例えば調理をしたくても立ちっぱなしがしんどくてできないという方の場合、高さ調節ができる椅子があると便利です。自分の背丈に合わせて座って作業することで、できないと思っていたことができるようになる場合があります。
しかし、そういった家具にあたるものは介護保険を使って購入することができません。
市販品を探し、良いものがあれば活用してみましょう。
まとめ
・認定軽度者(要支援1・2、事業対象者)が介護サービスを利用しにくい理由
要支援1・2、事業対象者は介護予防の段階と捉えられているから。自助努力での改善見込みが高く、要介護の人より自助努力することを求められます。
・介護保険サービスだけで問題の解決が図れないとき
①介護保険事業所の自費サービスを利用する
②民間サービスを利用する
③自分でできる工夫をする
・運動やリハビリをして自分の身体機能を上げる(介護保険サービス、「通いの場」の活用、民間スポーツジムの活用)
④便利家電を活用する
⑤市販品を活用する
少子高齢化がますます進んでいくことが見込まれる時代。
自分や親が歳を重ねて、身体が衰えてくると不安を感じやすいものですが、解決する方法をたくさん知っておくと安心ですね。
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